第12話新社会人でサラリーマンの壁(食品工場①)

2005年に新卒で入社した食品会社。技術職として採用され、工場の資材を扱う部門に配属された。配属されたといっても、私以外は女性パート3人。責任は私に押しかかる。

今まで担当していた社員が女性パートと揉めたのが原因で、新しい社員を入れなければならないということで、新卒の私に白羽の矢が立ったらしい。仕事内容的には倉庫の材料を数えて、足らない材料を発注するという至ってシンプル。ただ、作る商品の数がコンビニの発注数によるところが大きく、株価のように予想して発注しなければならないのが難点だ。

最初の半年間ほどは気力がみなぎって仕事をしていたが、段々とこの仕事の意味のなさに気づいていく。「なぜパソコンでネットワークをつなげて自動発注できないのだろう」と考えることがしばしば。1年経つ頃には「この職場でずっといても意味がない」と転職を考えるようになった。

今となっては、その会社も吸収合併されたため、どちらにしろ長く居れなかったと思っている。