第16話LGBTの難しさ②

前回の文章で私はヘテロセクシャルと書いたが、本当にそうなのかと分からなくなる時もある。例えば学生時代に友達と一緒に帰る時に、いつも廊下で待っていると「お前らホモか」などと揶揄されたこともある。今考えると、それだけ一緒にいたいということは愛情がある証拠なのかもしれない。

また、私の学生時代にはラルクやグレイなどビジュアル系バンドが一世を風靡したことがあった。特にシャズナなんかは女性そのもののような風貌で幻想的な空間を作り出していた。そういった存在に少し憧れがあったのも確かだ。

最近では韓国系アイドルなどの影響からか、化粧をする若い男性も増えている。先日地下鉄に乗った際に、背の高い女性と男性のカップルが微笑ましく雑談しているところに遭遇した。あまりのスタイルの良さに私も少しみとれてしまった。ただその女性は電車を降りる際に私の方を向いてマスクを取り、ひげがあるのを見せてきた。男性だったのだ。思わずはっとしたが、性別を感じさせない美へのこだわりは楽しそうだと思った。

元来、日本には歌舞伎の女役もあり、同性に対する秘められた愛というのは変わることがないのだろう。