第20話目標がないと辛い

私がうつ病から深く抜け出せない時は、目標を見失ってしまっていることが多い。

特に社会人になると、賃金アップや出世以外の目標を見つけないと生きがいを見いだすことさえ難しいと感じている。

また、今のご時世、賃金アップや出世は狙って達成できるものでもないからだ。自分らしい生き方を見つけるということ。

言うは易く行うは難しというところか。

第19話雨の夜が好きだった

私は若い頃は雨が好きだった。晴れは何処かに出掛けて友達や仲間と楽しまなければならないという強迫観念があったからだ。

友達が多くて予定が一杯。それこそ人としての魅力に溢れているのだと勝手に考えていた。

だから雨の夜は出掛けずにゆっくりしていいのだという安心感があった。CDを流しながら(ビリー・ジョエルが何故か合う)、ゆっくり物思いに耽っていた。

今ではいつでも物思いに耽っているのだが(笑)

第18話パートの人の頑張り(食品工場⑤)

食品工場でバイトしていた時、はたまた正社員で働いていた時に感じていたことは、パートをされている主婦方の手際の良さである。体感的に素人の5倍くらいの速さで作業を進めている。この道何十年のプロもおり、日本企業の根幹は、この方々のおかげで支えられているといっても過言ではない。

近年ようやくアベノミクスにより最低時給が引き上げられたことで、少しは待遇が改善されたと感じるが、同一労働同一賃金に向けてさらに善処していく必要があるだろう。

食品工場で働く正社員は円滑な人間関係を築いていくのも大事な仕事で、現場のパート同士の争いを鎮めるために駆り出されることもしばしば。熟練の技能を持った人材に辞められては大幅な戦力ダウンになるので、なんとしても避けなければならないのだ。

色々と人間関係の難しさも垣間見た新卒での食品工場勤務であった。

第17話昇給の低さに悶々とする日々(食品工場④)

理不尽なことだと感じながら、なんやかんやで1年が過ぎた翌年4月に給与明細をもらって目が点となった。たった200円の昇給だったから。これなら現状維持の方が納得できたかも。二年目は住民税の支払いがあるから、ただでさえ手取りが減るというのに。

たまたま同級生が私の職場の近くで新卒として働いていて、給与の低さに悶々として転職を成し遂げていた。彼も給与の低さにげんなりとしていた。私も「転職するしかない」と思い、リクルートやインテリジェンスなどの転職支援のエージェントサービスに登録。第二新卒の道を探すこととなった。

たまたま土日以外も休みを取れる仕事だったので、比較的転職活動は容易であった。9月に治験の臨床開発を行う会社に仕事が決まり、2006年11月からそこで働くこととなった。それから私の転職人生は始まることとなった。

第16話LGBTの難しさ②

前回の文章で私はヘテロセクシャルと書いたが、本当にそうなのかと分からなくなる時もある。例えば学生時代に友達と一緒に帰る時に、いつも廊下で待っていると「お前らホモか」などと揶揄されたこともある。今考えると、それだけ一緒にいたいということは愛情がある証拠なのかもしれない。

また、私の学生時代にはラルクやグレイなどビジュアル系バンドが一世を風靡したことがあった。特にシャズナなんかは女性そのもののような風貌で幻想的な空間を作り出していた。そういった存在に少し憧れがあったのも確かだ。

最近では韓国系アイドルなどの影響からか、化粧をする若い男性も増えている。先日地下鉄に乗った際に、背の高い女性と男性のカップルが微笑ましく雑談しているところに遭遇した。あまりのスタイルの良さに私も少しみとれてしまった。ただその女性は電車を降りる際に私の方を向いてマスクを取り、ひげがあるのを見せてきた。男性だったのだ。思わずはっとしたが、性別を感じさせない美へのこだわりは楽しそうだと思った。

元来、日本には歌舞伎の女役もあり、同性に対する秘められた愛というのは変わることがないのだろう。

 

 

第15話LGBTの難しさ

最初に断っておくが、私はヘテロセクシャルである。だからといって、LGBTのことが分からないと突っぱねるつもりではなく、むしろ多くのことを理解したいと考えている。

性に対する目覚めは思春期の頃からが多く、私自身も女性とお付き合いをしたいと息巻いていたのもこの頃である。もし、その時代に同性のことが好きであることに感づいたら、ジレンマから鬱状態に陥る人も多いだろう。

なぜならば、思春期は皆と違う考えだったり、生き方をすることに対して強烈な恐れを抱く頃であるから。同級生の男子と話をしていくうえで「なぜ自分の恋愛対象は同性なんだろう」と悩みを抱え、一人悶々とするであろうからだ。

自分の性への違和感から、性転換後に再び違和感を感じて自ら命を絶ってしまう人も多いと聞く。本当の自分の気持ちが分からなくなるというのは、鬱状態における私とリンクする。LGBTのメンタルにも積極的に取り組む必要性を感じる。

第14話理不尽を感じる日々(食品工場③)

典型的な家族企業だった。当時は創業者の孫で3代目の社長。どこの会社でも同じかもしれないが、社長はたまに現場に顔を出すだけ。来るとなったらおおごとで、周りの社員にも緊張が走る。

ある日「今日は仕事が完了した」と思い早く帰ろうとしたら、「明日は社長が来るから掃除しないとだめよ」とパート社員から一喝。倉庫内のあらゆる場所を掃除させられた。普段は見向きもしない所まで、全力で丁寧に。。

その日は終業時間が24時を回り、やむなく会社の汚い寮に寝泊まりすることとなった。何年も使ってない埃まみれの布団の中で考えた。「自社の社長のために徹底的に掃除するとはなんなんだ」と。

新卒で入ってくる社員は希望をもって入社してくる人が多い。残念ながら半年でその希望は打ちひしがれた。