第7話元の研究室に出戻り

年が明けて2003年になり、正月に父親からなにかバイトをするように諭された。1週間後に母親が食品工場のバイトのチラシを持ってきてくれた。多分なにか動かないといけないという夫婦での話し合いがもたれたに違いないと今では思う。

近くから送迎バスが出ることもあり、「通勤時間が短くていいや」という軽い気持ちで面接し合格。その食品工場で働くこととなった。仕事は商品の箱詰め。パート従業員と一緒に仕事をし、特段嫌な気持ちもなく、かといって充実感もなく働いていた。

自分としては公務員試験対策の学校に4月から通う気満々であった。ある2月の深夜に思い切って父親にその旨を伝えたところ、「元の研究室に戻るしかないのではないか」という説得をされた。公務員に嫌悪感がある父親らしい対応であった。

私も一晩考えたが「逃げてはいけない」という気持ちになり、4月から再度研究室に戻る決心をした。今となれば自分の強い信念というのを持つべきでったと思う。